先日、DVD/Blu-ray版の『空の青さを知る人よ』について書かせていただきました。
映画版がすごい良いのでお勧めなのですが、映画にさきだち公開された小説版がありますのでご紹介させていただきます。
映像作品の小説版は、大まかな内容を知っているがゆえになかなか悩ましかったりするものもありますが、空の青さを知る人よはこんな感じです。
- 内容はほぼ映画版と同じなので、追加要素好きにはお薦めできない
- 一部、小説版独自のシーン追加、視点変更がある
- 映画版がハマった人は補完用に見た方が良い
登場人物の「心理描写」の追加が熱い
映画版だと各登場人物のセリフや表情がメインで話が進みますが、小説版はト書きがあるので、登場人物の心情が補完できます。
特に本作のあおいは、思春期の少女ということもあり、心理描画があることでどんなことを考えていたのかがわかりやすくなってよいです。
ある程度は声優さんの演技で保管されているとは言え、結構「あ、こういうことだったの」という感じも場所もあり、新しい発見があります。
「台詞」は映画版を見たうえで見た方が良いかも
小説版なので音声がありません。
登場人物のセリフは文章として書かれるわけですが、特にあおいのセリフに関しては映画版の情報量が多いので先に映画を見てから小説に入った方がスッキリ読めます。
ツンデレ系の子なので、単に文章に落としてしまっただけだと、やたら冷たい印象をうけてしまいます。
同じセリフなはずなのに、刺々しいセリフの端々から、あおいの感情や、空気感を乗せられるというのはすごいですよね。
声優の若山詩音さん、すごいっすね…ピッタリだと思う…
しんの/慎之介役の吉沢亮さんも、アニメ声優初挑戦とは思えない完成度だったし…
映像作品の音声に引っ張られすぎるのは逆にどうか、自分自身の設定もあってよいのではと思うところもあるのですが、この作品に関しては、映画版ありきが深みが出そうな気がしています。
慎之介の視点の追加がうれしい!
映画版は基本、あおいの視点で物語が進行するのですが、小説版は慎之介の視点も追加されています。
特に、あの飲み会後の下りは、映画版ではあかね視点で展開されましたが、小説版は慎之介視点で描かれています。
映画版だけでは見えなかった(というかどっちかわからなかった?)慎之介の心情が垣間見え、また印象がちょっと変わって見えます。大体予想通り感はありますけど。
明確に保管されるのがうれしい…
登場人物の視点が変わってみえるのは、サウンドノベル「428~封鎖された渋谷で~」などで育ってきた私としてはたまりません。いいぞもっとやれ!
ちょっとだけど、エピローグもあるよ
映画版でも一部エンドロールで補足された箇所はありますが、彼女らの「その後」が少し垣間見れます。
ページ数としてはたった4ページほどですが、その後の彼女らの関係性が垣間見れて、このページだけでも小説版を読む価値があるのではないかと思います。
映画版のエンドロールはいる前の終わりもすごい好きなんだけどな……
「空の青さを知る人よ」映画版の補完としてはおススメ!
映画版の再現度が高い故、基本内容は小説版、映画版同じになるので、
すごい新しい展開が見たかった…!
…という人には正直向かないかと思いますが、セリフ、ト書き、視点変更を踏まえ、映画の補完として見るのが良いかと思います。
いつでも手軽に手に取り、パラパラとめくって映画を脳内再生しながら楽しむのに非常におススメだと思います。
ああ、また見たくなったので映画版もう一巡してきます!(矛盾)
ちょっと秩父行ってくる!